JOURNAL
Essay

Vol.04 , 受講を迷っている人へ

「もう少し準備できてから」、それはいつなのだろう

 

受講を迷っているあなたへ、少し正直な話


これを読んでいる人の中には「受講しようかどうか迷っている」という人がいると思う。そういう人に向けて書く。少し直球になるけど、悪意はないので許してほしい。

あんな風に花の仕事がしたい。という人に、「思い描くフローリストにいつなりますか?」と聞くと、「もう少し準備できてから、、」。その言葉を、私は控えめに言っても何十回も聞いてきた。

その言葉を聞くたびに、少しだけ切なくもなる。なぜなら、その「もう少し」が来た人を、実際のところ、私はほとんど見たことがないからだ。

「準備できてから」の正体


「もう少し準備できてから」という言葉には、だいたい二つのパターンがある。
一つは「もう少し現場経験を積んでから」。もう一つは「もう少し忙しさが落ち着いたら」だ。

最初のやつから話すと、「現場経験を積んでから来る」という発想は、一見謙虚に見えるけれど、実はちょっと逆算が間違っている。例えば、このアカデミーは花の仕事経験がある人をさらに伸ばす場所でもあるけれど、「現場に出るための土台を作る場所」でもある。準備を整えてから来るのではなく、ここで準備を整えてから現場に出る、という順番をお勧めする。

むしろ、「感覚だけで現場を数年こなしてきた結果、変な癖や自分だけの成功体験が蓄積し、修正が難しくなった」という人を、私たちは何人も見てきた。早い段階で正しい視点を持つことの価値は、実は思ったよりも大きいのだ。

もう一つの「忙しさが落ち着いたら」も、よく聞く言葉だ。けれど、これまで色々な人を見てきて思うのは、忙しさが理由で動けない人は、忙しさが落ち着いても結局動かない、ということだ。タイミングを待っている人と、今のタイミングで動く人がいるとしたら、後から変わっているのはいつも後者だった。

「準備できてから」は、優しい言い訳だ。けれど本当に準備が整う日は、案外いつまで待っていても来ないだろう。

お金と時間の問題について、これも正直に言う


受講料は決して安くない。でも、ここで少し考えてほしいのは、「今払う金額」と「今来ないことで失う時間」のどちらが大きいか、ということだ。

1年、2年、「もう少し」を待ち続けた先に何があるか。現場で感覚だけで動き続けた時間が、自分の表現の解像度を上げてくれるか。花の仕事で進む世界を、大きく豊かに広げてくれるか。もちろん、それは人によって違うけれど、多くの場合、「正しく学ぶ時間」は後回しにすればするほど、作りにくくなるのは間違いない。

生活の変化、環境の変化、責任の増加。年齢を重ねるほど、「ゼロベースで学ぶ時間を取る」のはしんどくなっていく。でも、それが現実だ。

忙しさについては、もっと単純な話で、「優先順位を決めた人だけが余白を作れる」というだけのことだ。今が忙しいのは事実だとして、その状況は「待てば解消される」ものなのだろうか。たいていの場合、忙しい人は来年も忙しい。

あくまで良い例として頭に浮かぶのは、第一線で活躍する現役のフローリストたちで、花のお仕事のオファーは毎日のようにやってくる。忙しい人はいつでも忙しい、というのは、これまで見てきた中でほとんど例外がなかった。

迷っている理由を、正直に見てほしい


迷っている人に、一つ考えてほしいことがある。自分が迷っている”本当の理由”を、正直に見てほしいということだ。

「条件が整っていないから」という理由の裏に、「変わることへの怖さ」が隠れていることがある。「今じゃない」という言葉の奥に、「失敗したくない」という気持ちが潜んでいることがある。

それは悪いことじゃない。人間として自然なことだ。でも、それを「準備不足」という言葉でラッピングして、決断を先送りし続けることは、もったいない。

怖いなら怖いで、「でも行く」という人が、このアカデミーに来て、変わっていくはず。私たちはそういう人たちの、一番の味方でいたいと思っている。

修了した人たちが言う一言(未来の話)


いつか、このアカデミーを終えた人たちが、こんなふうに言う言葉を想像する。
「もっと早く来ればよかった」だ。

それは知識を得たからじゃない。自分の表現に根拠ができて、仕事への向き合い方が変わるから。「なぜ自分がこの仕事をするのか」が、もう少しクリアになるから。それが自信になって、提案になって、少しずつ「指名」につながっていくからだ。

「花で、際立て。」は、そこに辿り着いた人たちが持っている状態のことだ。そのスタートは、早いほどいい。それだけは断言できる。

迷っているなら、まずは話を聞きに来てほしいと思う。答えを出す必要はない。ただ、「もう少し」を理由にこの機会を逃すとしたら、それはあまりにもったいない。

どちらに進むか、それを決められるのあなた自身なのだ。

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Yoshiki Ito

Founder

LUVONICALのFounder。これまで起業家として複数の事業をゼロから立ち上げ、そのうち4事業を事業譲渡。うち3事業は、現場を共にしたコアメンバーの独立にあわせて託したもので、事業を生み出すことと、人が育っていく過程を共に重ねてきた。様々な領域で挑戦を重ねながら、ビジネスの現場で行動力と構想力を磨いてきた。LUVONICALを立ち上げたのは、フローリストとしてではなく、現場の外側に立つ人間としてだった。立ち上げ当初、搬入・搬出など裏方として仕事現場に関わるなかで、指名されるフローリストとそうでないフローリストの差を、技術の外側から観察し続けた。その視点が、LUVONICAL THE FLORIST ACADEMYの原点にもなっている。現在はLUVONICALのFounderとして、ブランディングと事業設計を担い、LUVONICALと共にADSR株式会社にジョイン。事業運営から開発、組織づくり、ブランディング、マーケティングまで、全社の幅広い領域に携わる。LUVONICALでは花を束ねない人間として、フローリストたちが最大限に表現できる環境と、その仕事が生まれ続ける未来を描くことが、自分の役割だと思っている。

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